大暑を愉しむレシピ/さざえ/米ナス/かりもり/ささげ

レシピ
大暑(たいしょ)

2022年の大暑は7月23日です。
梅雨も明け、強烈な陽射しが照り付ける日々が続きます。
暦の上では最も暑さが厳しく、夕立や雷雨も増える時期です。

さざえのつぼ焼き

 

ちょっとした高級料理として、また浜の風物詩的なものとして位置していたさざえ。
高級だったはずが不況のせいか需要が減り、今ではお手軽な値段で手に入ります。
産卵期は夏で、旬は春から夏にかけて。大小で味の違いはなく、活きのいいものは蓋がやや口の手前にあり、触るとギュッと引っ込みます。

栄養面では疲労回復に必要なビタミンB1とタウリンが豊富に含まれています。

薬膳でいうと、補気⇒あらゆる気虚証を治療する方法として使用され、補腎⇒生命の源である腎の働きを補い、疲労回復、老化防止、免疫力向上の効果が期待できます。

 

【さざえのつぼ焼き】
<材料>(1人分)さざえ1個(もしくは小2個)醤油、料理酒 各小さじ1

<作り方>
1 さざえの表面の汚れを軽く洗う
2 アルミ、または専用シートの上に乗せオーブントースターで5分ほど焼く

3 酒と醤油をそれぞれ小さじ1をかけて、さらに5分程程焼いたら出来上がり♬

和食ですと、酒、醤油が一般的ですが、それ以外にも市販の「エスカルゴバター」をのせてオシャレにいただいたり、ガーリックバターと白ワインにお醤油でもおいしーです^^

つぼ焼き 壺状の深い陶器に食材を入れて密封し、火にかけて蒸し焼きにする調理方法。今回の様に巻貝の貝をそのまま調理器として使う調理法も意味する。

米ナスの田楽

 

夏至を愉しむレシピでは、一般的に売っている千両なすを使ってなすの辛し和えを紹介させていただきました。
夏至を愉しむレシピ/枝豆/鰯/茄子/水無月

今回は米ナスを使います。
米ナスはもともとアメリカや西洋のナスを日本向けに改良したもので、ヘタが緑色で果肉も硬いので煮崩れをおこしにくいなどの特徴があります。

【米ナスの田楽】

<材料> 米ナス1個 A みそ 大さじ2 味醂大さじ1/2 砂糖 大さじ1 醤油 大さじ1 サラダ油 小さじ2

<作り方>
1 洗って水気を除いたナスを縦半分に切り、切り込みを入れる

予め切り込みをしっかりいれておくことで、火通り、味なじみがよくなり、しっかりした果肉もほぐれやすく、食べやすくなる効果が。

2 油を熱したフライパンで切り口に焼き色がつくまで焼き、裏返して皮面も焼いたらお皿に取り出す。
3 空いたフライパンにAをいれて溶きながら加熱をし、焼きナスにかける
4 お好みで練りがらしや木の芽をのせたり、白ごま、けしの実などをふる

とろーり美味しいナス田楽ができました♡

田楽 くしに刺した豆腐やこんにゃく、ナスや里芋などの野菜に味噌をつけて焼いた料理のこと
田楽の歴史
でんがくという名前は平安時代に農村で豊作を祈る風習「田楽舞い」が由来とされています。
田楽舞いは白い袴をはき、一本足の竹馬のような高足に乗って踊る田楽法師と白い豆腐を串にさした形が似ていたということから田楽という呼び名になったという説があります。

かりもり

かりもりは、漬物用の白瓜の一種で、明治時代から作られてきた愛知の伝統野菜です。
漬物にしたときに食感がカリっとしていておいしく、ご飯がモリモリと食べられることが名前の由来とか。
一般的な旬は6月から8月 主に愛知県から岐阜県で古くから栽培されています。

【かりもりのぬか漬け】
1 かりもりを洗って皮はむかずそのまま縦半分に切って種の部分をスプーンでくりぬきます。

2 今回は無印良品の補充用ぬか床を購入し、ジップロックにいれて漬け込みました。
(かき混ぜ不要で冷蔵庫で12~32時間で完成)

3 さっと洗って食べやすい大きさに切る。

ぬか漬け 米糠を使った漬物のこと 一般的にきゅうり、なす、大根、などの水分の多い野菜を漬け込むことが多い。他にも肉、魚、ゆで卵、こんにゃくなど多様な食材が利用される
ぬか漬けは発酵食品で、植物性乳酸菌が含まれ、腸内環境を整えてくれます。
またぬか自体にビタミンB1、カリウムが豊富に含まれており野菜を生で食べるよりも栄養価がアップします。

ささげの塩麴和え

 

十六ささげ(じゅうろくささげ)は大正時代から生産が始まったとされる愛知県の伝統野菜です。
さやに16個の豆がはいっているところからこの名前で呼ばれているそうです。

お赤飯を作る時小豆を使いますが、小豆は火を通すと皮が割れて切腹をイメージさせるところから、火を通しても割れない十六ささげの豆を武士の縁起担ぎとして関東では好んで使用されるようです。
※ささげを使って赤飯を炊くときは浸水して戻してから使用しますが、小豆は長く浸けることで皮が破れやすくなるので、あんを作る以外は基本的には浸水不要です。

見た目はさやいんげんと似ていますが、さやの長さが特徴で、収穫は一本一本摘みとる必要があり、非常に手間がかかるため、あまり県外には流通しない地産地消の野菜となっています。

伝統野菜 その土地で古くから作られてきたもので、採取を繰り返していく中で、その土地の気候風土にあって野菜として確立されてきたもの
地産地消  地域生産・地域消費の略語 地域で生産された様々な生産物や資源をその地域で消費すること
地産地消のメリットは、
◎流通経費の削減
◎生産者が直接販売できる
◎新鮮な農産物を手に入れることができる
◎生産状況を自分で確認できる
などがあげられますが、実は中医学を基にした薬膳では地産地消を別の理由で推奨しています。
それは、
「地元でとれたものを地元の人がいただく。その食材がその地域でとれるのは、気候風土、色々な要素がマッチしてとれるからであり、そしてそこに住んでいる人に必要だから。いま住んでいる地域のものを食べることは身体にとってよいこと」として地産地消を大切にしています。
「身土不二」の考え方ですね。
【ささげの塩麴和え】
<材料>ささげ 200g位 塩麴 大さじ3/4 ごま油 小さじ3/4 白いりごま 適量
<作り方>
1 ささげは熱湯で3分ほど茹でて水に取る
2 ヘタをおとし、斜めに食べやすくカット
3 ごま油と塩麴と白いりごまを和えて完成
塩麴 東北地方の伝統的な食品三五八漬けの漬床がルーツといわれる日本の調味料
三五八漬けが塩、米麴、米を3:5:8で混ぜて漬物床にしたものに対して米抜きでより発酵、熟成させて作られる
麴 蒸した穀類や豆類に、麹菌(コウジカビともいう)と呼ばれる微生物を繁殖させたもの。米麴、麦麴、豆麴、など
麴は防腐剤も冷蔵庫もなかった時代に、食品の保存性を高めるために生まれ、また同時に旨味が増すという効果があります。
塩麴のメリットはビタミンB郡が豊富であり、腸内環境を整えてくれる働きがあり、美肌にもよいとされています♡

 

最後までご覧いただきましてありがとうございました。

書 by  SEI

花 by RUI

 

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